10月5日(木)秋葉原MOGRAで開催されたFRAM誕生日イベント
「FRAM BIRTHDAY PARTY~Rice to meet you~」ライブレポート到着!
TVアニメ『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2』アニメ『百姓貴族』といった人気アニメの主題歌を歌うシンガー・FRAM(フラン)のバースデーイベント“FRAM BIRTHDAY PARTY~Rice to meet you~”が、10月5日に開催された。会場はアニクラ(アニソン系クラブイベント)の聖地として知られるDJバー・秋葉原MOGRA。アニメソングをこよなく愛し、2023年、自らアニソンを担当する夢を叶えて躍進する彼女が、雨森セラ(純情のアフィリア)ら華やかなゲストを迎え、その音楽と歌声を間近で体感できる至福のひと時をファンにプレゼントした。
イベントは、ライブのバックDJを務めた田中誰によるDJタイムからスタート。Kawaii Future Bass系のポップでかわいらしいダンスミュージックを中心としたセットで、フロアの空気を徐々に温めていく。会場ではこの日の限定フードとして、宮城県気仙沼市出身のFRAMがオススメする地元食材を用いたオリジナルおにぎりが販売され、その味に舌鼓を打つファンもいれば、大音響のビートに合わせて身を揺らす人もいて、思い思いの時間を楽しんでいる。そしてフロアが温まり切った頃、本日の主役となるFRAMが登場。彼女が1曲目に歌ったのは、自ら作詞・作曲したオリジナルソング「Pray」。2023年3月11日、東日本大震災からちょうど12年の日に彼女のYouTube公式チャンネルでデモバージョンが公開されたことからも伝わるように、気仙沼市出身の彼女にとって大きな意味を持つ“祈り”の歌だ。そのデモ版とは趣きの異なるドラマチックなドラムンベースに仕立てられたサウンドの波を掻き分けるように、FRAMのボイスチェンジャーを通した歌声が祈りのように尊く響き渡る。
圧巻の幕開けに続いては、造語の歌詞が幻想的な雰囲気を醸し出す『防振り。2』の挿入歌「Scutum」でさらにギアを上げ、軽い挨拶を挿んで「みなさん、自由に楽しんでいってください!」と呼び掛けると、この日に配信リリースされたばかりの新曲「—HORIZON—」を披露。遥か先の地平線を目指して飛ぶ鳥の映像がフロアに投影されるなか、“Y2K”や“Y3K”を標榜するFRAMらしいサイバーな音像としなやかなボーカルが融合して美しい光景を描き出す。そこから春色のドラムンベース「New Days, New Color」、新しい世界の扉を開くワクワク感に満ちた「DOOR」と、自ら作詞・作曲したポジティブなアップナンバーを連発して会場の熱気は早くも最高潮に。
続いてはゲストコーナー。この日迎えられた純情のアフィリアの雨森セラとは、FRAMがソロデビューする前から顔見知りだったとのことで、今年6月に行われた雨森のバースデーライブにFRAMがゲスト出演したことがきっかけで、今回の再共演が実現したという。2人は「純情のアフィリア」の楽曲「キラキラレディオ」をコラボでパフォーマンス。FRAMも「セラ先生に教えてもらって」振り付けをマスターしたとのことで、アイドルのようにキラキラした表情でポーズをキメる。その後、雨森がFRAMへのお祝いの気持ちを込めて、「純情のアフィリア」の「恋をゲームにしないで!」をソロで披露。ステージ袖の最前という特等席で観ていたFRAMは、「何でツーステップしているだけでこんなにかわいいんだろう!」と感想を漏らしていた。
ここからは再びFRAMのソロステージへ。「次はゆったりチルなミュージックを2曲続けてお届けします」と告げて、まだライブでしか披露されていない浮遊感溢れるエレクトロニックナンバー「泡沫メモリウム」、そしてPS4/Switch用ゲーム『ANONYMOUS;CODE』のEDテーマ「My Dearest」を連続で歌唱。特にミディアムバラードの後者では、手を差し出すような身振り、切なげな表情といった身体表現も込みで、楽曲の壮大かつ儚さが滲む世界観をエモーショナルに描き出していた。
続くMCで、人生初というバックDJやVJを従えたライブスタイルについて語っていると、どこからともなく「ハッピーバースデートゥーユー」のメロディーが流れ出し、なんとFRAMがボーカルを務める音楽ユニット・Unwaveの相方であるAyanoがケーキを持ってサプライズで登場!仙台を拠点に音楽活動していた時代からの盟友が来てくれたことに、FRAMは「ケーキよりも嬉しいかもしれない」と涙を流しながら喜ぶ場面も。最近は個々の活動が忙しいため、Unwaveとしてステージに立つ機会のなかった2人だが、ここで久々にUnwaveの楽曲「そこにある」を披露することに。隣でUnwaveの衣装を着てベースを弾くAyanoに安心したのか、FRAMの歌声もさらに力強く、ポジティブなエネルギーに満ち溢れ、「みんなの声を聞かせてー!」とファンに呼び掛けてシンガロングで一体感を作り上げる。FRAMとAyanoが顔を見合わせながら歌い演奏する瞬間もあり、多幸感に満ちた1曲となった。
「ここからは後半戦、タイアップ曲をどんどん歌っていきたいと思います!」と宣言すると、まずはラテン~ブラジル音楽のフレイバーと全編英語の歌詞がお洒落な『防振り。2』の挿入歌「As You Wish」を爽やかに歌唱。続くアニメ『百姓貴族』のEDテーマ「シアン・イノセンス」では、どこか懐かしさを感じさせるポップなメロディーを溌剌とした歌い口で紡ぎ、観客もクラップやコールを交えて楽しく盛り上がる。そして「最後まで皆さんとこの時間を一緒に楽しみたいと思います」と呼び掛け、彼女のアニソン歌手になりたい夢を叶えた楽曲、『防振り。2』のEDテーマ「Step for Joy」をどこまでも希望に満ちた歌声で披露。“君との一歩 またひとつ 宝物が増えていくよ”という歌詞は、この日のイベントのようにファンからの祝福を受けながら、一歩ずつ、着実に前に進んでいる彼女の気持ちに、このうえなくフィットしたものだったのではないだろうか。
そして「最後の最後は、このイベントのサブタイトルを回収したいと思います!」と告げて、米どころ宮城県出身でお米大好きな彼女らしさが詰まったポップなエレクトロナンバー「Rice to meet you」をパフォーマンス。曲中では彼女がX(旧Twitter)で毎朝7時に投稿しているモーニングコールならぬモーニングポストのフレーズを彷彿させる、「イエーイ!起きてー!」「イエーイ!起きてるよー!」というコール&レスポンスも行われ、ラストはみんな一緒に両手で三角形を作っておにぎりポーズ。いつも元気で明るい彼女らしいポジティブハッピーな締めくくりとなった。
アニメやゲームのタイアップ曲では、作品の世界観に合わせて多彩な楽曲を紡いでいるFRAMだが、ノンタイアップ曲ではドラムンベースやハイパーポップをはじめとする最新鋭のエレクトロニックミュージックの要素も視野に入れた楽曲を積極的に発信。アニソンシーンにおいて独自のポジションを築きつつある。今回のバースデーイベントは、DJやVJを入れることで、彼女のアーティスト性を改めて示す機会にもなったはずだし、その挑戦が今後のシーンに大きな波紋を起こすことを期待したい。
▼SET LIST
DJ Time (田中誰)
M0 Onigiri travels through space (OPENING MOVIE)
M1 Pray
M2 Scutum
M3 —HORIZON—
M4 New Days,New Color
M5 DOOR
M6 キラキラレディオ / 純情のアフィリア (FRAM + 雨森セラ)
M7 恋をゲームにしないで! / 純情のアフィリア (雨森セラ)
M8 泡沫メモリウム
M9 My Dearst
M10 そこにある / Unwave (FRAM+Ayano)
M11 As You Wish
M12 シアン・イノセンス
M13 Step for Joy
M14 Rice to meet you